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告白NO5

僕にとって高校の授業は、詰まらない存在だった。
他人に決められたことを、決められた手順に則ってこなしていく。
僕は、そういった作業が苦手だった。
教室で、授業をこなしていく時間が苦痛でならなかったし、授業そのものに興味が持てなかった。
僕は、授業のほとんどの時間を教科書に隠して小説を読んでいた。
その方が遥かに楽しかった。
何故か、成績は学年でも上位にいた。
試験があると学年で上位50人の名前が廊下に貼りだされた。
僕は、いつも10位前後に入っていた。
クラスの皆は、僕が授業が終わると真っ直ぐ帰るのは、予備校がどこかに通っているためだと思い込んでいたみたいだった。
学校の帰り、空手の道場に通い、練習がない日は、駅前の本屋とレコード店に通っていた。
そこで、飽きることなく、本を立ち読みし、レコードのジャケットを眺めていた。
高校生の僕にとって、読みたい本やレコードを自由に買えるお金などなかった。
本屋を図書館代わりに使っていた。

初めて、太宰治に出会ったのもその場所だった。
「人間失格」という強烈なタイトルが目に付いた。
ページを捲ると

”それは世間が、ゆるさない。
 世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?
 そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ。
 世間じゃない。あなたでしょう? ”

その、言葉に心が釘付けになった。
言葉の一つ一つが新鮮だった。
僕が嫌っていた体裁というものを否定する、言葉が並んでいた。
高校一年生の僕にとって、太宰の言葉が、生きるための真実のような気がした。
体裁とか、常識とかが嫌いだった。
そういったものが、何だか薄っぺらく思えていた。
どんなに言葉を尽くしても、どんな綺麗ごと言っても、あの瑞希の最後に流した涙よりも重いものは無かった。
でも大人達は、僕に、そういった事を押し付けてきた。
そういったことが嫌いだったし、そういったことに対して、僕は無言の反発をすることしか知らなかった。
僕は、何時も思っていた。
貴方は、貴方の生き方をすればいい。
僕は、そのことに対して何も言わない。
だから、僕は僕の生き方をする。
そのことに対して何も言って欲しくなかった。
でも世間は、何かを押し付け合うことで成り立っていた。
誰かに何かを押し付け、上手くいかないと、裏切られたと、信じていたのにと、罵り合っていた。
そして、僕は、密かにタバコの味を覚えた。

つづく

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))
(1952/10)
太宰 治

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初めて読んだのは、高校のときでした。
世間というものに密かに反発していた時代に、自分の心にどこかあてはまる部分がありました。




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Author:さとうそら
2009年12月に、本を出版しました。
タイトル「春には春の花が咲く

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