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プレゼントNO3



僕達の会話は、電話回線を介在して途切れたままで、僕は、次の言葉を捜していた。
言葉は、真っ白な雪に埋まった、白兎を捜すように、掘っても掘っても捜し当てることが出来なかった。
沈黙が続いたのは、数秒だったと思う。
その数秒の沈黙が、僕達の間にある深い溝のようなものに感じられた。
その溝を埋められない限り、僕達は、恋人同士にはなれない気がした。
動物園に行こうと、山下公園に行こうと、鎌倉に行こうと、例え、地の果てまで朋子と一緒に行ったとしても、その溝を埋めない限り朋子は赤い手袋を外さない気がした。
僕は、その溝が、何故存在し、どうしたら埋めることが出来るのかについて、明確な答えを持ってはいなかった。

それでも、僕は、僕なりにその溝を埋めようと、受話器に向かって話し掛けた。
「今度、何時、会える?」
それは、僕にとって必死の言葉だった。
喋りながら、胸が高鳴り、声が硬くなっているのが自分でもわかった。
何故、こんな言葉一つを言うのに、こんなにも緊張をするのだろうか。
僕は、朋子の返事を待った。
「ちょっと待って。」朋子が電話から離れる気配がした。
僕は、受話器を耳に当てたまま不安と戦っていた。
「もしもし。ごめん。おまたせ。」
「大丈夫。」
手帳を捲る気配がした。
朋子は、自分のスケジュール表を取ってきただけだった。
「再来週の土曜日なら空いているわよ。」
いったい、朋子もスケジュール表には、僕と会わない日にどんな予定が入っているのか気になった。
それを聞くことが出来なかった。
そんなことを聞くなんてなんとなくかっこ悪い気がした。
「じゃあ、再来週の土曜日。」なるべく、さりげなく言った。

電話を切った後、また、2週間、朋子に会えないのかと思うと溜息が出た。
朋子に取って僕はどんな存在なんだろう。
僕には、朋子のことを考えながら待つことしか出来なかった。

僕の中で、却って溝が深まった気がした。

つづく

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タイトル:春には春の花が咲く
著者名 :さとう そら
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2009年12月に、本を出版しました。
タイトル「春には春の花が咲く

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