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プレゼントNO18


気持ちとか、想いとかとかいうもを、簡単に割り切ることが出来ないということを、僕は身にしみて感じた。
僕は、今でも、朋子のことを忘れることが出来なかった。
初詣の人ごみの中、朋子と触れ合った肩と肩の感触を忘れることが出来なかった。
そして、朋子のことを思い出すたびに、まるで、心臓を針に刺されたかのような痛みを胸に覚えた。
僕は、その痛が過ぎ去るまでじっと耐えた。
目を閉じ息をひそめ、じっと痛みが過ぎ去るのを待った。
過ぎ去ったと思った痛みは、直ぐにまた、僕の心を襲ってきた。
痛みは過ぎ去ったのではなく、僕の心の奥に潜り込んでいただけだった。

僕は、もしかしたら、その痛みを、晴美と一緒にいることで誤魔化そうとしているのではないかと思った。
僕は、そう思いながらも晴美とデートすることを止めることが出来なかった。

その後、3月に2回晴美と会った。
そして、その度に、僕達は幼いキスを繰り返し繰り返ししていた。
カレンダーが1枚捲れて、4月になると、晴美と横須賀の米軍基地に花見に出かけた。
米軍基地の湾岸沿いに植えられた桜並木の公園で、屋台で買った大きなハンバーガーを齧り付きながら、桜を眺めていた。
「ねえ。」晴美が言った。
「なあに?」
「一つ聞いていい?」
「うん。」
「朋子さんのこと、まだ、好きなの?」
僕は、黙った。
なんて答えていいのだろうか?
黙ったまま海を見詰めた。
猿島に渡る船が、多くの観光客を乗せて走っていた。
晴美は、僕の答えを待つように黙って僕の目を見詰めていた。
「わからない。」僕は首を振りながら、そう答えた。
晴美の顔が不思議そうに、少し傾いた。
「多分、いや、きっと、好きなんだと思う。
 朋子さんのことを思うと、苦しくて、胸が締め付けられて張り裂けそうになる。」
「やっぱ、好きなんだ。
 それなのに、なんで、私と会うの?
 私は、朋子さんのかわり?」
「違う。」
「違わないわ。」
「晴美と会うとき。
 晴美とこうやって一緒にいるとき。
 僕は、とても穏やかな気持ちになる。
 だから、わからない。
 自分のことなのに、自分のことがわからない。」
「私のこと好きかどうかもわからないってこと?」
「上手く言えないけど、、、」
「上手くなんて言わなくていい。
 私が知りたいのは、優一にとって私が必要な存在かどうかってことよ。」

風が吹き、桜の花弁が一斉に宙に舞い踊り、晴美の髪に一つ二つ舞い降りた。

つづく

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テーマ : 自作恋愛連載小説
ジャンル : 小説・文学

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さとうそら

Author:さとうそら
2009年12月に、本を出版しました。
タイトル「春には春の花が咲く

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