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溝 NO3

あの夜の公園での出来事以来、山崎は、道場に顔を出さなくなった。
そして、道場を辞めたと人づてに聞いた。

『噂でなんて聞きたくなかったよ。』
そう言った、山崎の声が、僕の耳に残っている。
一週間が過ぎても、その声が消えることはなかった。
その声を思い出すたびに、胸が痛んだ。
僕が、山崎の人生を変えてしまった気がした。

僕は、大切な人を、知らず知らずのうちに傷つけ失ってきた。
妹の瑞希
初めて恋をした朋子
唯一の友人だった山崎

いつか、晴美まで失ってしまうのだろうか?
晴美を傷つけて、やがて、晴美も僕の前から消えてしまうのだろうか?

突然に、寂しさのような、孤独感が僕を襲ってきた。
もう、何も失いたくないと思った。

一人部屋の中で、タバコに火をつけた。

もう、何も失いたくない。

もう、何も・・・

でも、きっと僕は、また誰かを傷つけ、失い続けて生きていくのだろうと思った。
僕は、きっと何時までも未熟な心を抱えたまま生きていくのだろうと思った。
そう思うと、不意に涙が一つ零れた。
僕は、頬を伝う一筋の涙を、タバコの煙に咽たせいにした。

僕の未熟さを救ってくれるものは、僕の心でしかないと思った。
僕は、自分の未熟さ弱さ甘さ、そういったものを認め向かい合うことでしか、自分を救うものはないのではないかと思った。
それは、苦しい作業だった。
自分の心のどこかに、そういったものを認めたくないとする何かがあった。
僕の心の中は、矛盾で満ち溢れているような気がした。

タバコを灰皿に揉み消すと、立ち上がり晴美に電話をした。
夏休みが始まったばかりの、暑い夏の夜のことだった。

つづく





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テーマ : 自作恋愛連載小説
ジャンル : 小説・文学

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さとうそら

Author:さとうそら
2009年12月に、本を出版しました。
タイトル「春には春の花が咲く

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