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溝 NO10

「待て!」
「止まれ!」
強い命令口調の声が背後から聞こえる。
僕は、その声を無視する。

男たちが、僕を追いかけてくる気配がした。
横断歩道を渡ろうとしたとき、信号が青から赤に変わった。

僕は、信号を無視して、一気に横断歩道を駆け抜けようとした。
走り出そうアクセルを吹かした車から、クラクションが鳴る。
僕は、それも無視して走る。
朋子のもとへ。

行かなければ。
今、行かなければ。
それだけを考える。

後ろは振り向かなかった。
彼らが追いかけてきているのかどうかなんて、気にならなかった。
前だけを見て、朋子を追いかける。
僕は、朋子を見失った場所に向かって人ごみを縫うように走った。
何人かの人にぶつかった。
怒鳴り声が、僕の背中に浴びせられる。

僕の心は、自分勝手になっていた。

朋子がいた。
人ごみの中に、朋子の後姿が見えた。
人ごみを掻き分けるように、朋子のもとに行こうとしたとき、後ろから羽交い絞めにされた。
僕は、身体に回された男の腕を振り払おうと足掻いた。
男の力は強かった。
「おとなしくしろ。」男が僕の耳元で叫ぶ。

僕は、追いついて来た、3人の男たちに押さえられた。

僕の周りが騒然とする。
僕と、3人の男たちを取り囲むように興味深げな人垣が出来る。
「離して。」僕は、身を捩りながら言った。
「おとなしくしろ。」男がもう一度怒鳴った。
朋子の後ろ姿が消えていた。
朋子が消えた。
「離せ。頼む。離せ。」
男たちの力は強かった。
気がつくと、僕は、地面に組み伏せられ、3人の男に取り押さえられていた。

朋子が見当たらない。
僕の視線の何処にも、朋子がいない。

「朋子。」僕は、腹の底から力いっぱい、僕の持っている声の限りを使って叫んだ。
その声は、祭囃子と人々の喧騒にかき消されていた。

つづく

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Author:さとうそら
2009年12月に、本を出版しました。
タイトル「春には春の花が咲く

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