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春と修羅NO6

冬の動物園は、人影まばらで、どこか寂しげだった。
動物達も何だか、やる気がなさそうに、檻の中でじっと寝ていた。
僕たちは、そんな動物達を見て回った。
僕は、歩きながら、なんだか不安な気持ちを抱えていた。
朋子に近づいたと思っていた心が、少し離れてしまったようだった。
トラの檻の前で「一生をこの檻の中で過ごすのね。」と、朋子が言った。
「檻から出したら、大変なことになるから。」
「どちらが幸せなのかしら?」
「どっち?」
「飢えなくて、敵もいなくて、不自由だけど、のんびりと檻の中で暮らすのと、
 死と隣り合わせの野生の世界で、自由に暮らすのと。」
「彼らは、檻の中しか知らないから。
 野生に出たら直ぐに死んでしまう。
 きっと、餌を確保する方法すら知らない。」
「そうね。檻の中でしか、生きられないのね。」
2匹のトラは、僕たちには興味が無さそうに檻の片隅で退屈そうに寝ていた。
自由ってなんだろう? 僕は、ふっと思った。
自由に生きるとは、どういうことだろう?
僕は、いったい、どれだけ自由に生きているのだろうか?
「自由ってなんだろう?」と僕は口に出した。
「行きたい所に行けることかな?」朋子が、少し考えて言った。
「行きたいと思っても、月の裏側にはいけない。」
「そうね。」そういうと、朋子は黙って二匹のトラを見た。
「優一君って、何処まで本気で、何処から冗談か分からないこと言うのね。」
朋子は、寝そべっているトラを見ながら言った。
その言い方は、何処か戸惑っている風に僕には聞こえた。
僕の心の中の不安が、より大きくなった。
僕は、今、隣にいる朋子の言動に縛られていた。
朋子の言動で、僕の心は大きく揺らいだ。
結局、僕もこの動物たちと同じように、心の中にいくつもの檻を作って生きているような気がした。

つづく

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Author:さとうそら
2009年12月に、本を出版しました。
タイトル「春には春の花が咲く

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