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春と修羅NO10

僕は、朋子がなんの事を言っているのか、一瞬、分からなかった。
「なにを?」
「空手。」
「なんで?」
「ずっと、何時、辞めようか考えていたの。
 来年、就職だし、単位も落とせないし、あんまり通えなくなるから
 そろそろかなって、思っていたの。」
朋子が、僕と違う世界に行ってしまうような気がした。
就職という言葉が、朋子が、この紅茶専門店の住人のようになってしまうような気がした。
僕は、何かを言いたかったが、何を言っていいのか、また分からなくなっていた。
なんだか、自分が、とても子供に思えた。
僕の中に、焦りのような感情が芽生えた。
僕は、強く唇を噛み締めた後「また、会って欲しい。」と言った。
「ごめんなさい。」朋子が言った。
そして、一瞬の間の後「もう、会えない。」と言った。
僕の心の中に悲しい気持ちが広がっていく。
「もう、会えないの?」
「うん。」朋子は意味も無く、紅茶をスプーンでかき回していた。
僕は、黙るしかなかった。

喫茶店を出ると、街は夕暮れに包まれていた。
僕達は、その場で別れた。
朋子は、買い物をしに行きたい所があると言って、駅とは反対側に歩いていった。
僕は、その場に立ち止まり、去っていく朋子の背中を見つめていた。
朋子は振り返ることも無く、僕の視界から消えていった。
何だか、悲しい気持ちでいっぱいになり、涙が出そうだった。
僕は、その場に置き去りにされたような感覚を覚えた。
人波の中、僕は、タバコに火をつけた。
口から吐き出される煙に、僕の横を通り過ぎた女性が、とても迷惑そうな視線を投げかけてきた。

空を見上げると、一番星が輝いていた。

つづく

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Author:さとうそら
2009年12月に、本を出版しました。
タイトル「春には春の花が咲く

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